2010/08/23

SSLYBYの良さ研究

Let It Sway / Someone Still Loves You Boris Yeltsin

8月7日には入手していたはずなのですが、まだ感想書いてなかった><ので書きますよ

基本的にIndie Popはかわいくて明るめな曲が多く、たいへん好きなものも多いです。が、あまりにもパワーポップになりすぎると、ただひたすら明るくて豪快な印象を受けて、あまり受け付けないのです。SSLYBYはパワーポップ寄りの元気元気な音を出しはするんだけど、でもそのなかにちょっと捻くれたアレンジがあったり、とぼけた音が入っていたりと、いろんな要素が合わさって細かいところでツボをついてくるかなり面白いバンドであります。

前の2作品も聞き込むといろんな発見があるという感じなんですよね。さわりだけきいてると綺麗なメロディってだけで印象に残りにくいんだけど、そこで終わらずに「ん?」と気になる部分が出てくるのです。だからそこから一歩踏み込んで聞き込みたくなって、そしてちゃんと聴くと本当に心揺さぶる素敵な歌ばかりが並んでいることに気づく。

私は彼らのアレンジの仕方が大好きです。クライマックスへの持って行き方がぐっとくる。なぜか一番最後に目立つのはギターの音なんですよね。歌が終わってもその続きをギターが代わりに弾くような感じで、それがとてもドラマチックなのです。ギターと歌の調和具合は何度聞いてもうっとりしてしまう。

そして聴いてて気づいたんだけど、彼らのアルバムはどれも1曲目がものすごく良いんです。1stのPangea、2ndのGlue Girlsを思い出してみても、どれもすごく彼ららしくてキラキラしてる。そして今作の1曲目であるBack In The Saddleも、期待以上に素晴らしいです。私は文句なしでこれが今作で一番のお気に入り!

今作は美メロをつくらせたらUS Indieで一番!といってもおかしくないDeath Cab for Cutieの人がプロデュースしていることもあって、今までよりオープンな雰囲気になってますけども、デスキャブやFountains Of Wayneには無いある種のやぼったさというかwメインストリームから外れてる感がしっかり伝わってきます。それでこそSSLYBY。
ジャガイモ育ててるおじさんってイメージなんだよなあ。ジャガイモのおいしさは普遍でしょう。そんな感じ。

そうそうこのアルバム、3作目にして初めての日本盤もリリースされたんですが、その解説を書いてらっしゃるのが、ついったーで「ゆるマッチョ先生」の名前で大人気の山本徹さんなんですよね。私この人のpostを読むまで、SSLYBY大好き!ってひとを知らなかったのですごく嬉しかったです。
そして日本盤をリリースしてくれたのが、仙台を拠点としたインディーズ・レーベルのMOORWORKS。ここのSSLYBYのページ、オフィシャルより充実してるかもしれません(笑)
こんな素敵なひとたちのおかげで日本盤が出たことが何より嬉しいです。嬉しいついでに、来日してくれないかね。いつかね。

Someone Still Loves You Boris Yeltsin "Sink / Let It Sway"

2010/08/22

興南高校勝ってた

春夏連覇って松坂の横浜高校以来なんだって? てことはしまぶー=松坂ゲフンゲフン
そういう記録をきいて、そういや松坂は数年前まで普通に日本で野球してたんだよなということを思い出した。予告先発に松坂ってかいてあったのが信じられない。今ではああやってクラムチャウダーとロブスターの街で立派にアメリカ人みたいな体型を維持しているまっつんも(褒めてるの?) 、ちゃんとガリガリで真っ黒に焼けた高校球児だったころもあったし、ルーキーだったころもあったし、杉ちゃんに「ロッテだろ?普通に投げれば大丈夫」と助言したときもあったのだよね。

ええと、優勝おめでとうございます。

監督の我喜屋さんは野球部の顧問というより政治家にいそうなタイプの知将というイメージで、なるほど喋る言葉もなんとなく文学的な、比喩を多用したものばかりでした。たぶん監督の言ってること分かってない部員いっぱいいると思うよ(笑) 
でも、そんな監督に似てどことなく静かな感じのこのチーム、個人的には好きでした。私の嫌いなプレーは代打の代打と無駄なヘッドスライディングですのよ。
彼のやりかたは状況にあわせてサインを変えたりポジションを変えたりという、なかなか高度なもので、よくみんな臨機応変に対応できるなーと感心しましたよ。ロッテでもそういうことをやる監督が去年までいたはずなんですがw一球ごとにサイン変えるのって一旦歯車狂ったらもう悲惨なんだよね。よく春夏どっちもプラスに働いたなと思います。

決勝戦は思わぬ展開で、どこにビックリしたかというと島袋くんのスタミナです。私どっちも同じくらい超打たれるものだと思ってたんですが、しまぶーは疲れを感じさせないのらりくらり投球で、すばらしかったです。ストレートで押せ押せっていうのは高校生が好む攻め方だと思うんですが、それを捨てて変化球で組み立てていくのは大正解でした。球数も驚くほど少なかったし。こういうところは監督がすごいですよね。あとキャッチャーくん。

私のお気に入りはレフトとセンターの外野ふたり。ポジショニングが常に的確だから、ファインプレーが少ないんですよね。飛んでくる方向にいるから安心して取れる。だから好プレー集には選ばれないけれど、本当はこういうプレーが「良いプレー」なんだよね。


。。。
というのが楽しい部分ではあったんですが、基本的に甲子園は良い大会だとは思ってないです。決勝で東海大相模の一二三くんが途中で力尽きてしまったけれども、疲労の蓄積を気合い一発で乗り越えてくれ!としか言えないようなこの空気が嫌。選手達は死にものぐるいで目標達成しようとがんばりすぎちゃうから、大会がちゃんと球数規制するなどして守ってあげなくちゃいけないと思うんです。結果出さないと、ってことでエースにすべてを託すのは理解できます。でもねー、壊れちゃったら意味無いのです。

甲子園は「この大会だけに命を賭けろ!」と迫るような大会だと思います。だから守るべき球児が無理しすぎてへろへろになっても「頑張った」とねぎらって終わり。この子達はこれからの人生の方が長いのに。試合内容に沸きながらもそういう側面を考えると、感動してる場合じゃないんじゃないの、と思ってしまうの。堅いかなー?


と思ってたらすごく有名なブログ主さんがついったーで同じようなこといってました。甲子園の魔物ってそういうことじゃないのかな。球児達は魔物の奴隷なのですよ……



しかし甲子園決勝の思い出というと、やはり私には2007年の佐賀北-広陵が一番。誤審といっていいレベルの判定に戸惑った野村くんが逆転満塁ホームランを打たれたときの、あのアレな感じ。来年のドラフトが待ちきれないのだったりするよ。はやくプロで見たいなあー

2010/08/14

牧歌的な地方から来た働き者の田舎者

リン・ディンという作家のショートショートの題名なんですが、とてもすてきですよね。
Monkey Businessの翻訳増量号に収録されています。もち訳者は柴田先生。
タイトルからしてモトさんが好きそうだなーというのが伝わります。
和訳まで書き写してしまいたいところだけどなんとなく気が引けるので、原文だけ載せておきます。大好きなんだもん。


A HARDWORKING PEASANT FROM THE IDYLLIC COUNTRYSIDE / Linh Dinh

I was illiterate until yesterday. All these squiggly - tattooed on every available surface, all around me, all my life - suddenly started to make sense yesterday. Until yesterday I did not know that the invectives and commands constantly swarming around me were actually made of words. I thought they were mosquitoes, or dust, or flecks of paint, each one leaving a prickling sensation on my thin, almost transparent skin. Yesterday someone said something in my vicinity and I finally decided to write it down, a phonetic transcription, to the best of my abilities: FUAK YOU MOFTHEARFUAKIER.

I wrote that down with a blue pen on a yellow piece of paper. I finally wrote, I thought, now I'm a writer. If I had merely transcribed the above as a blue thought onto my yellow memory, I would still be seen as a hardworking peasant from the idyllic countryside.

2010/08/09

separated Animal Collective

Noah "Panda Bear" Lennox and David "Avey Tare" Portner of Animal Collective
(click for high-less)

drew it during watching Barca's friendly match, but I've forgot the game because of focusing drawing lol.

this year Animal Collective taking a break. I know Noah will release his 4th solo album, but it's really surprised Avey also made his first solo album ;) they're so hard worker aren't they? and it's amazing we can listen to their stuffs in the same year!
for them, making records as other projects is really good thing. It's help to avoid mannerism of being together especially for Noah. I've just heard he got tired of being band again (yeah it's a his typical reaction when they have loooong tour).

wish I could be on their shows!

2010/08/08

耳を傾けるべきもの

「沈黙博物館」小川洋子

小説を読むのをご無沙汰にしていたところ、傑作であるとの報をうけ、読んでみたのがこの作品。
小川洋子は例の「博士の愛した数式」だけを読んで、「ほんわかする文章をかく、優しそうないかにも女性の作家というかんじ」の印象を持っただけで終わってしまっていたのですが、ええ、反省しております。「沈黙博物館」は久しぶりに物語の良さをじんわりと感じ取ることが出来た、とても素晴らしい作品でした。泣けたとか感動したとかいう類とはちょっと違った、ただただ「凄いなあ」と思うことができたというか。

物語は博物館技師が老婆に雇われてとある村にやってくるところから始まります。老婆と少女だけが住んでいる大きな屋敷には、老婆が若い頃からためてきた、死んでいった人々の形見が保管されていて、依頼はそれらを展示するための博物館をつくれ、というもの。さらには技師自身が新たな形見の収集にかり出されます。その中で奇怪な殺人事件がおこって、技師は警察から疑われ始め……

と進んでいくのですが、とにかく読みやすい。それは簡潔に書かれているから、というわけではなくて、登場人物の人間くさい感情があまり露わに鳴らないからかも知れません。例えばこの作品には恋愛ごとの要素はほとんどあらわれません。技師が少女を観察する目や、少女が沈黙の伝道師見習いの少年に抱く好奇心、それに気づく技師……とほんのり色づく感情はあちこちに散らばっているのですが、それがより深く発展することがない。沈黙の伝道師が沈黙に潜ってしまったら、それを受け止めるだけ。登場人物の目的はあくまでも「沈黙博物館」を完成させることなのです。関係を深めず、取り憑かれたように自分の役割を黙々とこなしていく姿は少し不気味ですが、その不気味さがすごく美しい。

そういえば映画っぽさというのも強く感じました。主人公の技師がいろんな場面を想像する描写がいくつかあるのですが、その描写がどれも細部まできっちりとかかれていて、想像自体が別のエピソードとして独立しているような感じで。
そして絵になる綺麗な場面がたくさんあるんですよね。私が好きなのは技師が雪降る寒い中で電車を待ち続けるところと、夜ひっそりとコレクションに母と兄の形見を加えるところ、そして見習いを卒業して沈黙の伝道師となった少年に秘密を打ち明けるところです。

死者を忘れないための行為を人が何よりも大切にするのはなぜだろうといつも思っています。内田樹先生はたしか、「死者を弔う」ことができるのは人間だけだみたいなことを言っていたような。それが人間らしさの根源であるのはなぜなのか。どうして忘れることが恐ろしいんだろう。今を生きていることだって大事なのに。というようなことを考えつつ読みました。
久しぶりに感想たくさんかけるくらい良い本でしたー!!図書館にもあったけど購入してよかった。読み返したいです。

余談ですが技師さんを途中からキリアン・マーフィーで脳内再生して読んだら、本当にぴったりでした。インセプションを最近観たからだと思うんだけど、それにしてもぴったりだった。小川さんの「女流作家らしくない」書き方や、匿名性のある舞台設定にしたのが良いんだとおもう。というわけでイギリスあたりで映画化してくれないかねえ☆

2010/08/05

お口直し

吐き出しエントリは消すかわりに下へおいやるのが最善
せんせい右の可愛い子誰ですか!メッシの隣の!
教えてもらったのですがセルジ・ロベルトくん(Sergi Roberto)というかたで、
カタルーニャ人。92年生まれのAttacking MF……イニエスタみたいなかんじかなー?
18歳!

動いてるとこみたことないけどうまかったらいいな~!
ほんとこういう顔好きですよね私……マクスウェルもこんなかんじ。。。